予知保全と予防保全

シーケンサ(PLC)のバックアップは必ず行いましょう

シーケンサ(PLC)が突然のトラブルにより故障してしまった場合、シーケンサ(PLC)内のプログラムのバックアップがないと、すべての設定・回路をはじめから作成しなくてはならないため、大変時間とお金がかかってしまいます。

ラダー図だけでも保管して故障したときに備えましょう。

3ステップでバックアップをとる方法

ステップ1 現状確認

現状の装置の動きが問題なく、シーケンサ(PLC)が正常な動きをしているのを確認します。

ステップ2 プログラムの保存

パソコンとシーケンサ(PLC)をつなぎ、読み出しを行いそのプログラムを保存します。

この時、保存した日付を入れておきます。

ステップ3 保管

保存したプログラムをFD(またはCD)に保管し、そのラダーをプリントアウトして制御盤内に一緒に保管します。

このとき必ずプログラムにコメントが入っていることを確認します。
コメントが入らない場合は手書きで記入して置きます。

バッテリー低下に備えて、予備バッテリーを用意

バッテリー残量の確認と交換

シーケンサ(PLC)のバッテリー残量がなくなると、停電などが起きた際にシーケンサ(PLC)のプログラムが消えてしまい、装置が動かなくなってしまうおそれがあります。

必ずバッテリー残量を確認し、必要ならばバッテリーの交換をおこなってください。

 バッテリー交換について

1. 残量の確認

特に一体タイプの場合は、コモンに対する出力が1個や2個、4個などいろいろあります。

そのため、バルブはバルブで出力を固めたりランプはこの位置など決めてやると楽に配線できます。

シーケンサーの専用バッテリー

2. バックアップ

まずは最初にもしもの時に備えて、シーケンサ(PLC)のバックアップを必ず行ってください。
尚、今後も考えてバッテリー低下の異常は外部警報させておいてください。

3. バッテリー交換

制御盤の前にバッテリー残量の表示があればそれを確認します。
そして盤の扉をあけて、シーケンサ(PLC)のBATのランプを確認します。

4. 交換の判断基準

BATのランプが表示していたら、バッテリー残量が少ないという警告になりますので速やかにバッテリーを交換してください。

古い機種は早めに新機種に交換

シーケンサ(PLC)が古く、生産中止になっている物は、早めに最新機種へ乗せ換えする事をお勧めします。

5ステップで簡単に乗せ換える方法

ステップ1 リストアップ

設備内の制御盤内の、生産中止もしくは10年以上たっているシーケンサ(PLC)をリストアップする。

ステップ2 機種の購入

リストアップしたシーケンサ(PLC)のバックアップを行ってください。
同じメーカーの場合は比較的簡単にパソコンで機種変換して、内容によりますが基本的にはラダーを変換して入れこむ事で完了しますので、できれば同じメーカーの同等機種を購入してください。ただし、使い勝手の悪かったメーカーの製品は別メーカーに乗せ換えする事をお勧めします。

使えない命令等もあるので注意が必要です。

ステップ3 配線をバラす

まずはハード的に配線をバラすとこからはじめます。
IO番号を確認し確実に配線されていたかをメモしておきます。
カードのタイプにより配線が届かない場合があるので機種を選ぶ際には注意が必要です。

ステップ4 コネクターの確認

コネクター等でIOが配線されていた場合は、そのコネクターが合うかどうかを確認します。別のメーカーに乗せ換えする場合でも、最近は変換コネクターなどを扱うメーカーもあるため、そちらを購入する方法もあります。
この場合比較的スペースの問題も解決できますのでお勧めします。

例:オムロン製から三菱電機製に乗り換えるなど。

ステップ5 動作確認

交換が終わったらIOチェックを行い、動作確認をおこないます。

こまめな掃除

シーケンサ(PLC)が故障しないように、定期的に掃除をしてあげることをお勧めします。
盤内環境が劣悪な場合は簡単に壊れてしまいます。月に1度くらいが目安になります。

シーケンサ(PLC)をきれいに保つ3ポイント

ポイント1 環境を知る

設備と盤内の環境を調べます。盤内が粉塵、油、または高温の場合は致命傷となりかねません。

ポイント2 盤内の掃除

リストアップした制御盤を開けたまま、盤内の電源を落としてください。
はじめに盤内の掃除を行い、シーケンサ(PLC)上部のファン部分を丁寧に拭きます。

この時、粉塵等が中に落ちないように行ってください。

ポイント3 高温時の対策

盤内が高温の場合は、盤用クーラーを設置するか、予算が無い場合はファン、ルーバーでもかまいませんので、換気をよくしてください。