トラブル対策事例

Case 1

PLC内のデータが消滅してしまったケース

状況と対応

某コンクリート工場内のコンベア制御盤内において「突然装置が止まってしまった!」との連絡があり、駆けつけたところ制御盤内のPLC(オムロン製)のデータが、すべて消えていることが判明しました。

急いで復旧をしてほしいとのご要望だったのですが、シーケンサ(PLC)本体はすでに製造中止の製品で、バックアップデータやラダー図面も無い状態でした。ハード図面のみはあったのですが、フローチャートが無かったためにお客様に動きを確認していただくことから始めるしかありませんでした。

回路の作成から動作チェックを行うまで、すべてをやり直す必要があり徹夜で何とか復旧することができたのですが相当の時間と労力がかかりました。

トラブルの原因

原因はシーケンサ(PLC)のバッテリーが無くなってしまっために、最終的に全てのデータが消えてしまったということ。

以前からバッテリー異常の警告ランプが盤面に表示されていたとのことでしたが、まだ大丈夫と思い、無視し続けていたとのことでした。

メインブレーカーを入れっぱなしにしておけばまだよかったのですが、3日間程の長期連休に伴い作業員が省エネのためメインブレーカーを落としていたためにバッテリーがなくなってしまい上記のような結果を引き起こしてしまいました。

トラブルを避ける対策

まず下記の4点をしっかりと行うようにしてください。

  1. 正常時に必ずバックアップを取ること。
  2. ラダー図をハード図面と一緒に保管すること。
  3. 設備の動きのフローチャートと作業手順を作成し、保管すること。
  4. バッテリー低下の警告がでたらバッテリーを取り替えること。

これらの作業はそれほど費用がかかる内容ではありません。

しかし、これらが無い場合は工事期間、費用ともに何倍も必要になってしまいます!!
さらに復旧するまでの間は装置を停止させなければならないので、その分のマイナスを考えるといかに予知保全が大切で、後のコスト削減にもつながるのかということがわかります。

Case 2

突然プログラムに無い動きをしてしまったケース

状況と対応

某所工場内の設備装置において、突然プログラムに無い動きが発生しました。
どのような動きかというと、アナログデータを取り込んで制御していたのですが、どうも全然違う動きを不特定に行うというものでした。

もしかしてノイズかと思ったのですが特定することが出来ないためとりあえず、ダクト内配線を分けたり、シールド線を使用してみたりアースを落とし直したり、外したり等いろいろ試してみました。それ以降誤動作は無いとのことですが、何が原因かということは分かりませんでした。

トラブルを避ける対策

このケースでは回路は納入時と変更がなかったため、原因を特定出来ませんでした。

しかし、納入時と比べると盤内に追加でインバーターなどが新しく配置されていたほか、温度調節計等も新規に追加されていました。プログラムは正常でもこのようなことが結構あります。

配慮する点としては、なるべく不安材料となるものを外すということ。当然、まずは回路のチェックから行います。